本当の遠距離恋愛 1

 「もしもし、竜一さん、うちの両親大賛成だったわ!
  早くお連れしなさいって!」

 「・・・・・・そう」

 「竜一さんは?」

 「いや、まだ話してないんだ。両親も忙しくて・・」

 「そうよね、じゃあまたお暇な時でいいから話しておいて!」

 「うん、わかったよ」

 竜一は両親に大反対されたことを愛美には言えなかった。

 必ず説得してみせるという意気込みがあったからだ。


 竜一は毎日のように両親に懇願した。

 「もうその話は聞きたくない!今の社会情勢がどうなってるか
   お前にもわかるだろう!」
 
 「・・・・・・」

 
 畠山陽一には前々から中川総理に頼まれていたことがある。

 それは、総理の姪っ子、祥子をもらってくれないかという話だ。

 畠山陽一は願ったり叶ったりの話である。

 以前パーティで竜一を見かけたらしい。

 そのことは妻の良子にも話してはいない。

 飛び上がって喜び、あの金切り声で叫ばれるのが目にみえているからである。


 しかし、時はきた。

 もうここで言わないと看護師なんかと入籍でもされたら
  取り返しのつかないことになる。

 「おい!良子!」
 妻を滅多に入れない書斎に招きいれた。

 「なんですか?」

 「うん、・・・」

 「竜一のことですね、それなら私に任せてください」

 「・・・・・」

 「浅田財閥の奥様から 是非うちの娘を という話があります」

 「そうか・・・」

 「あまり嬉しそうではありませんね?まっ、まさか・・」

 「何だ」

 「あの看護師との結婚をお認めになるんじゃございませんよね」

 「ばかな!」

 「安心しました。ではこの話は私に一任するということで・・」

 良子は書斎を出ようとしたその時、
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