本当の遠距離恋愛 1
そして、梅雨の季節。
紗希はいつもと変わらず仕事に励んでいた。
だが、風邪は一向に治らない。
というか治ったり、またすぐにひいたりという状態を幾度となく
繰り返していた。
始めは妊娠か?とも思ったがただ遅れただけだった。
遠藤ともうまくやっていたが紗希は少し距離をおくようになった。
なぜなら・・・
デート中に急に具合が悪くなることが多いからだ。
急にというか、デートへ行く前から具合は芳しくない。
無理して行ってるからである。
嫌われるのが怖いからだ。
「ごめん、ちょっと休んでいい?」
「はあ~ また~・・・」
「ごめんなさい」
「こんなんだったら、出てくるなよ」
「・・・・・」
と、いつもこんな調子である。
遠藤の家でくつろいでいても、
「また具合悪いの!?」
「じゃあ、俺さあ、友だちと出かけるから帰ってねたら?」
と言われたこともある。
具合の悪い紗希を尻目にいそいそとお洒落な服に着替える。
「大丈夫?」などといった言葉はかけてくれない。
紗希は夜勤を終え一階の内科外来で診察を受けた。
「血液検査をしましょう」
ここは大きな病院だ。1時間後には結果は出る。
採血室で血を採ると、紗希はブラブラと病院の中を散歩した。
梅雨の雨にうたれた紫陽花が見事に咲いている。