クールな准教授の焦れ恋講義
 自分の家に帰ってきてからベッドに倒れこむ。そして色々と思い出してなんだか泣きたくなった。あんな風に拒んでしまって申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

 本当はもっとして欲しかったのに、あれから先生は唇にはキスをしようとはせず家まで送ってきてくれたときも別れ際にしてくれたのは頬にだった。

 時計の秒針の音だけがやけに響く。時刻はもうすぐ午後十一時だ。私は壁側に寝返りをうった。

 いつも先生は家まで送ってくれる。そこまで遠いわけでもないけど、忙しいのに、毎回だ。だからと言って「泊まっていいですか?」とも訊けないし、提案されたこともない。

 これって自分から言い出していいものなんだろうか? 次にキス出来るのはいつだろうか、会えるのは? それを訊いてもいいものかどうか悩んでしまう。

『お前は聞き分けがよくて助かるよ』

 困らせるのも迷惑をかけるのも本意じゃない。あんなことを言われたなら尚更だ。

「恋愛って難しい」

 恋が叶ったら、幸せでそれで終わりだと思っていた。でも実際は、その先のほうがよっぽど難しいし悩むのだ。相手のことが好きなら好きな分だけ。
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