君を待ってるから

しばらく走って、いつも凪がいる公園まで来た。

頭なんか痛くなかったし、熱だってなかった。

でも今は、なんだか熱い。

熱っぽい。

「ン...。」

意識がもうろうとしてきた。

目で見える景色も、ぼやけてきた。

動きも鈍くなって、ふらふらしてくる。

「...わぁっ...。」

小さい石につまずいて、こけそうになったとき。

ドンッ。

誰かにぶつかった。

その誰かは、私を無理やり離そうとはせず、そのままにしてくれた。

もう限界だ。

疲れた、きつい...。

誰かにおんぶされて、それでどこかへ行って...。

眠ってしまった。

温かくて、気持ちよくて、居心地がよかった。

ーーそれからあとは、何も覚えてない。
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