君を待ってるから

「はぁっ...はぁっ...。」

走って走って、ただひたすら走った。

でも途中で、立ち止まってしまった。

どこに行けばいいのかわからなくなった。

「んん...。」

私はどうすればいいの?

どこに行けばいいの?

涙が出てきそう。

でもこらえた。

なんで涙が出るのか、それさえわからない。

"ほら。"

ってこっちを向いてくれた凪を思い出した。

"海華。"

って私の名前を呼んでくれた凪が思い浮かんだ。

泣くようなことはなかったよ。

だから、ただ凪に会いたいだけ。

探しにいくから、いつもみたいに待っててね。
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