あなたの願いを叶えましょう
「では明日はよろしくお願いしますね」

アンケートを押し付けることに成功した黒澤氏はにっこり満足そうに笑う。

はあ、と気の抜けた返事をする事しかできなかった。


「みーぎゃー!」

デスクへと戻ると頭を掻きむしって発狂した。

「すみません…えんさん…」

そんな私を見て、恵梨香ちゃんは申し訳なさそうに眉を潜める。

「恵梨香ちんは気にしないで明日楽しんで来て!」

私は慌てて取り繕う。

「休日出勤は別に其処まで嫌な訳じゃないんだ。イベントは見に行った方がいいと思うし」

でも…と言って私はギュッと眉根を寄せ黙り込む。

腹黒男に言い負かされた事が悔しくて仕方ない。

爽やかな顔をして、しつこいのなんのって。

印をつくまで帰さないマルチ商法顔負けだ。

「まぁ、黒澤さんにお願いされちゃったら断れませんよねえ」

恵梨香ちんは両手を頬に添え、ウットリした表情でため息を吐いた。

また小癪な事に黒澤氏は女子から絶大な人気を誇っている。

みんな爽やか紳士な外見に騙されて、腹黒粘着気質に気づいていない。

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