あなたの願いを叶えましょう
「そ、そんな重要なアンケートなら何でこんな急に言うんですか?もっと事前に…」

「今日の会議で決まった事です。其れからアンケートの質問項目を精査していたのでこの時間になりました」

果敢にも噛み付いてみるが、全てを言い終わる前から理詰めで完璧にブロックされる。

「冨樫さん、オール東亜、ですよ」

オール東亜…

我が社のスローガンでトドメを刺される。

眉間に皺を寄せた私と視線が合うと、黒澤氏はにっこりと笑みを浮かべた。

二流大卒一般職のOLちゃんが。口先だけの屁理屈で院卒出のこの俺を論破するなんざ100年はえーよ。

笑顔は爽やかなのに、そんな屈辱的な感じがヒシヒシと伝わってくるのは何故だろう。

「えんさん…」

恵梨香ちゃんが縋るような目で私をジッと見つめる。

土曜日には大好きなアーティストのライブを予定していて、前々から物凄く楽しみにしていたのを知っている。

私は鼻から大きな息を吐く。

「では、明日のイベントは私が出席する予定なので、アンケート用紙をいただけますか?」

「今至急で印刷にかけています。冨樫さんもこの後予定があるでしょうから急いでお持ちしますね」

予定があるのを解ってて引き留めるとは。

やっぱりこの男は邪悪だ。
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