あなたの願いを叶えましょう
「はぁ?」

職場で仕事関係者からプライベートの友人の名前が出ると不思議な感じがして、腑抜けた返事をしてしまう。

だけど、私を見る工藤さんの目は真剣だ。

「昨日一緒にお料理教室の体験コースに行きましたけど……」

「その時なにか言ってませんでしたか?」

「どうしてそんなことを聞くのですか?」

突然の事に私は訝しい視線を向ける。

工藤さんは口をキュッとつぐみ、仄かに頬を赤く染めた。

いつも冷静沈着で仕事も出来る大人の彼らしからぬ初心な反応だ。

「まさか、優香と何かあったのですか?」

この間、ボルダリングの帰りにみんなで飲みに行ったことを思い出す。

工藤さんはバツが悪そうに視線をそらし、蚊の鳴くような声で「連絡先を交換しました」とボソリ呟いた。

「え?!」

そんなん聞いてないんだけど!!

工藤さんは私に気があるんじゃなかったの?!

また飲みに行きましょう、なんて思わせぶりなメールをしてきたけど、私じゃなくて優香目当てだったとはな。

振られてないけど、ちょっと振られた気分。
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