あなたの願いを叶えましょう
その態度が俺を妙にそわそわさせる。

まるで『もうあなたに用はありません』と言われているようだ。

「まさか、彼氏ができたか?冨樫よ」

冗談めかして言ってみるものの、心臓はドキドキしている。

女性に対してこんなにも動揺することが未だにあるんだな。

まだ自分の心に恋愛的要素が残っていたことに、感動とも驚きともなんとも言えない感情が胸に湧き上がる。

「関係ないでしょ」

しかし冨樫円は、まっすぐパソコンを見つめたまま俺を見ようともしない。

つれない態度が面白くなくて、ノートパソコンの蓋を倒した。

「何するのよ!」

当然、冨樫円は目を三角に吊り上げて、こちらへ振り返る。

良かった。ようやく彼女が俺を見てくれた。

怒ってるけどね。

嫌がることをして、気をひこうとするなんて、小学生だな。

往々にして恋はひとを童心にする。
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