あなたの願いを叶えましょう
「関係ないとはつれないな。あんなことまでしておいて」

小さな耳の近くで囁けば、単純な彼女は耳まで一瞬にして真っ赤になる。

そこそこ美人な割に、このすれていないリアクションもぐっとくる。

「なななななに言っちゃってんのさ」

……リアクションに色気は全くないけどね。

富樫円は動揺したのか、慌てて立ちあげる。

逃げる気だ。

パソコンの蓋を慌てて開けようとするが、そうはさせまいと、後ろから腕を伸ばしその華奢な手をギュッと握りしめる。

こちらへ振り向いた富樫の茶色い瞳が、微かに揺れる。

二人っきりのだだっ広い深夜のオフィス。

絶好の美味しいシチュエーションだ。

指先からじんわりと人肌のぬくもりが伝わってくる。

富樫にちょっかいを出した夜をふと想いだした。
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