あなたの願いを叶えましょう
「それでも多いくらいだ。そんな暇なら仕事しろ」

「一般職の私はいっくら仕事したって出世出来ないって言ってたじゃない。総合職で入社したあんた達と私は見てる景色が違うんでしょ」

頑張っている人に向かって、そんな事を笑顔でさらりと言えちゃうあんたが大っ嫌い。

私は黒澤波留にキッと鋭い視線を向けた。

「約束を反故にした時点で、みんなに秘密は話す」

私はキッパリ宣言する。

黒澤波留は暫く黙り込んだ後、小さくため息の吐いた。

「わかった。協力するよ」

その代わり、と付け加える

「一生紹介し続ける事は出来ない。俺の知り合いの数にも限りがある」

「そう思うなら真剣にベストを尽くしていい男を紹介してよ」

「俺がいい男を連れて来ても、いい男が冨樫さんと結婚したいと思わなければ意味がない。其処で俺からも男性側の立場から気づいた事があればアドバイスをさせてもらう」

ええ…と言って思いっきり眉間に皺を寄せる。
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