あなたの願いを叶えましょう
「家までタクシーで送ってもらった」

「よかったな!そいつと上手く行く事を俺は全力で祈る!」

「いたけど、上手くいったとは言ってない」

黒澤波留は訳が解らない、と言わんばかりに眉根を寄せて首を傾げる。

「まさか、その男が家に上がり込もうとした?」

私は首を横に振る。

「紳士的に送ってくれただけ。手は出されなかった」

「じゃあ、なんで?」

「だって連絡先…聞かれなかった」

黒澤波留は私の回答を聞いて失笑する。

「じゃあ聞けばよかったじゃん。冨樫から」

「…でも、そういうのは男性から聞くべきじゃない?」

黒澤波留は無言のまま首を振るの

「…聞かれなかったって事は、どうせ彼女がいるんじゃない?もしかしたら結婚しているかもしれないし」

「でも!だって!どうせ!」

黒澤波留は突然声を張る。

私はびくりと身体を痙攣させた。
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