あなたの願いを叶えましょう
「幸せが逃げる口癖だ。総称して3Dというらしい」

黒澤波留に手招きされたので顔を近づける。

「俺も大っ嫌い」

そして、一言。耳元で囁かれた。

ドキドキするどころか、脅されているようで身が竦む。

「100歩譲って、自分から聞くのが嫌だったら、相手が聞いてくるように仕向けるくらいのテクニックを身につけろよ。いい歳なんだからさ」

「でも…」と言いかけてハッとする。黒澤波留は無言でギロリと私を睨みつけた。

これが王子さまともてはやされているなんてペテンもいいとこだ。

「だからダメなんだよ、冨樫は」

そしてトドメのダメ出し。

「…るもん」

「は?なんだよ」

黒澤波留は眉根を寄せて面倒臭そうに聞き返す。

「解ってるもん!自分がダメだって一番よく解ってるもん!」

まさかの逆切れに彼は怯む。

その隙に私は一気に捲し立てて行く。
< 50 / 246 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop