あなたの願いを叶えましょう
「冨樫さんってどれ位彼氏いないの?」

向かいに座る伊神さんがズバっと立ち入った質問をしてきたので、私はすっと手の平を広げた。

「5ヶ月かー。丁度新しい恋を始めたくなる頃だよねー」

「5年です」

伊神さんは口に含んだお酒を吹き出しそうになった。

「ええ?マジか?」

伊神さんに聞き返されて私はコックリ頷いた。

「俗に言うセカンドバージンってヤツ?」

「最近はそんな洒落た言い方をするんですか」

私はぐいっとハイボールを飲み、プハーと息を吐く。

「前に酷い振られ方をしてひきづっている…とか?」

「彼の浮気で別れました。その当時はそれなりに傷つきはしましたが、今は恨んじゃいません。心変わりは世の常ですから」

「でも会社で人気ありそうじゃん。冨樫さん可愛いから」

可愛いから

可愛いから

可愛いから

聞きなれない言葉だったため、頭の中で何度もリフレインする。

「冨樫さん?」

伊神さんはきょとんとして私を見ている。

「すみません。想定外の言葉に一瞬意識が飛びました」

何それー!と言って伊神さんはおかしそうにクスクス笑う。
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