お嬢様 × 御曹司
舞踏会 -苦笑い-
なんにせよ、私に考えるという暇はないみたい。


特に年末年始。


誕生日の次の日からイベントが盛りだくさん。


各地のイベントに呼ばれている父さんの代わりに10個ほど、パーティーに出席しなくてはいけなかった。


母さんも別のパーティーに出席してるけど、今年は髪なんか染めやがった__失礼__髪を染めてしまった兄さんが出席できなくなったパーティーがあることも重なり、こちらとしてはてんやわんやだ。


1日1日が慌しく過ぎて、今日の12月31日は大晦日にもかかわらず、私はまたあの会場に来ていた。


誕生祭をしたあの会場だ。


今は、その会場に向かう車の中。


花と向かい合って座り、運転は別の執事さん。


陸さんは兄さんにつきっきり状態なものですから。


「うわ!カウントダウンの乾杯挨拶だって!やだぁ!」


時々乾杯挨拶をやらされる私。


仕事モードを作らないといけないし、もともと挨拶とかは得意じゃない。


だけど、やらなくてはいけないのならちゃんとやる。


すっぽかしたらしたら、日野原財閥の名に泥を塗ることになるもの。


「うわ!とか言わないんですよ。聖夜様は注目されてるってことですから。ファイトです!」


他の執事がいるからか、最近は敬語で話すことがおおい花。


私はますますイライラが募る。


「だって、どこのパーティーに行ったって、おじさんおばさんばっかじゃん!」


「こら!言い過ぎです。」


私はストレスを発散するところも、癒しを求める時間もなく、ただただストレスだけが蓄積されていく。


パーティーだって、話し相手がいないからつまらないし。


大人には話しかけられるけど、年の近い奴となるとチャラいやつらしかいなくて…嫌になる。


どいつもこいつも私と結婚したいだのなんだので…ほんっとろくでもない奴ばっか!


そう思ってから、一つだけ思った。


…あぁ、そうだ。


彼がいてくれたらいいのにな。


誕生祭から気になっている、あの、大道寺 武士くんが。


そしたら、どんなパーティも楽しくなる気がするのに。
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