ばかって言う君が好き。

「っ。」

「ん?」

「そんな、そんな……」

「何?」
 愛しそうに私を見ないで。

「あっ。」
 私に覆いかぶさるように直人は唇を奪った。

“それ”が触れるだけの、優しいキスだった。
触れたところから彼の熱が伝わってくる。頬がだんだんと赤く染まっていくのが自分でも分かった。

首に口づけを落として、彼がまた私の瞳をのぞく。

「……倫子ちゃん、真っ赤。」
 くしゃっと顔を崩して、彼は悪戯に笑った。

「こういうときだけ、ちゃん付けはずるいよ。」
 ぽすっと彼の胸を頭でたたく。

「ごめんごめん。」 
 ポン、と直人は私の頭を撫でた。

「さて、おなかもすいたことだし、一緒にごはんしよう。
このまま倫子とじゃれてたい気持ちもあるけど。」

 にこっとほころんだ彼の表情に私も破顔すると、そのままつま先をたてて彼にもう一度唇をあてた。

「あ、こら。」
 そう怒った風に言っても、照れは誤魔化しきれてないよ、そう思いながら、私は彼の耳元にささやいた。

「直人くん、だいすき。」

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