君に触れたい……。
「原因は、思い出したの……?」


そう尋ねると、雪は小さく頷いた。


「そう。そうか……」


何と声を掛けるべきか、悩んだ。


下手な慰めは、雪を更に傷付けることにならないだろうか。


こう言うとき、自分の言葉数の少なさや、対人不得手な自分の質を恨む。


大切な人が泣いているのに、助けることも出来ないなんて……。
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