スキ・泣き・恋
「奈多君に会ってから、美愛の奴!奈多君、奈多君ばかり!」




つまんないー?



「ブサイクな顔して、どうしたの?」






「うわー?
葉山君!」





あれ?来てたんだ…?





「で、どうしたの?」





「実はさ…?」







葉山君に奈多君と美愛がデートでドタチャンされた事を話した…。






「ふーん?
それは良かったね?」






それだけか?






「ってか葉山君?
今日は休みじゃなかったの?美愛がゆってたし!」




朝から心次君に会えないって美愛が騒いでたし…。






「あぁー?休むつもりはしてたよ!
でも、明日から夏休みだしな!」



そう?
明日から暇な暇な夏休みが始まる…。








「ふー?
通信簿を取りに来ただけなんだ…?」





「そうだよ?悪いか?」





「…別に!」





葉山君ってほんとどこか真面目なんだね〜?





「ねぇ、葉山君って彼女とかいない理由?」






私、何聞いてるんだろ〜?


恥ずかしい〜







「いちを居てるョ!
公約者だけどな?」





公約者?

葉山君って何処かのボンボンなの?






「へー?
そうだったんだ!」





私、そういれば葉山君と居てる事はあるけど、奈多君も葉山君の事も何も知らなかったんだ…。






「なぁ、暇なら付き合わないか?」





「へ?」





付き合うって…?






「お前、何勘違いしてるんだよ?
来いよ!」






「ちょっと、葉山君〜?」






手繋いで、走って…。
何処に連れて行くのよ〜?





「ここさ?」






「ここって…?」






本屋さん?






「葉山君、本屋さんって…?」





「俺、暇な時は本屋に行くんだよ…?
それに、和泉さんも少し本を読んだ方がいいと思うよ!」




ムッか〜?




「そうですね?」





なんなんよ…?
むかつく…。






「あら、おぼっちゃま?
今日は何をお探しで?」





やっぱり、葉山君ってどこかの金持ちだったんだ…?








「そうだね〜?」






へー?
神経に探してる所は可愛い〜!





「和泉さん!」





「何?」





葉山君って確かに読書タイプって感じ…






「和泉さんはいい本とかあった?」





「あっ?
私はいいや?」






本はマンガだけで充分!






「…そう?」





あっはは…






ーーーー






あれから1時間は本を読み続けてるし…。



お腹空いた〜




ぐぅぅ〜






「あれ?
お腹空いた?」






葉山君に聞こえてたみたい…。






「あっはは!ハイ!」




笑いで誤魔化したけど、やっぱりお腹は空く〜






「じゃ、どこかのレストランに入ってて!
これを買ったら行くから!」





「あっはい!」






やっぱり葉山君って地味なくせに、カッコイイ!



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