【B】きみのとなり







気が付いたら……
なんか……涙がこぼれ始めてて
そんな自分が……
やっぱり……情けなくて……。






でも……
涙で視界が滲んでいく……。









なんで。





アタシ……
神様になんかした?



都合がいい時だけ、
神頼みしすぎ?


だから怒ったの?










ただ……兄貴と
一緒に花火が
見たかっただけなんだよ……。










気が付いたら
……花火が始まって、
一時間が過ぎようとしてた。







もうすぐ……
終わっちゃうね。






兄貴がいない
……花火……。







ねぇ、海兄……。


海兄は…… 
アタシの傍に
今、居てくれてる?




それとも……
アタシなんかより……
兄貴の傍にずっといる?







ねぇ
……海兄……。






花火を視界に映しながら
空に向かって……
海兄に語りかける。














こんなに
綺麗な花火なのに
独りじゃ……
寂しすぎるよ。








『氷夢華。
 泣くなよ。
 もうすぐ……
 嵩継、来るから。
 俺が約束してやるから。
 とりあえず……
 泣きやめって』






風がすーっと通り過ぎて
声が聞こえた気がした。






風が……
優しく、
アタシの涙を乾かしてくれる。



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