【B】きみのとなり
……えっ?海兄……?
周囲には何もない。
ただ……暗闇が広がり、
向こうの空で……
大輪の花が咲き続ける。
色とりどりの色をつけて。
ふと……
聞き慣れたエンジン音が
近付いてくる。
えっ?
その車は……
良く見知った車で……。
その車は
アタシの愛車の隣に
滑りこんできて
運転席のドアから……
待ち焦がれた兄貴が
顔を覗かせる。
「遅くなった。
氷夢華」
「……兄貴……。
なんで……」
兄貴を見つめて
立ち尽くすアタシ。
「見んだろ。
花火。
氷夢華が
言い出したんだろうが」
兄貴はそう言うと
アタシを抱き寄せて
いつものように
頭をぐしゃぐしゃっと
撫でつけた……。
一緒に眺める
夜空の向こう。
最後の大輪の花が……
鳴り響く。