圭哉くんは俺様且つ暴君。
「でも…圭哉を見てる限り、小春ちゃんを1mmも好きじゃない、なんてことは、絶対に有り得ないと思わない?」
「っ、やっぱり、誠也さん凄いですね〜!そこで私に質問ですか?」
誠也さんは、やっぱり大人だ。
きっと私の言ったことが、真実だってことを理解した上で…私の気持ちも汲み取って
不安で仕方ない私の心を少しでも軽く出来るようにと、配慮してくれたんだろう。
「小春ちゃんは、好きなんだね。」
「……当たり前じゃないですか。"彼女"ですから。」
「ハハッ…それもそうか。でも、圭哉に泣かされたら、俺が相手するからいつでも来てよ?」
サラッと私の頭を撫でて、ニコッと笑う誠也さんは、本当に圭哉くんと血が繋がっているのか……
………にしても、チャラいな。
顔がいいって罪だ。
「考えておきます。」
「ワオ、俺の誘いをそんな強気に断ったのは小春ちゃんが初めてだよ。」
───────カランカラン♪
誠也さんが、私の顔をあんまり近くで見つめるから"近いですって!"と軽く俯いた時、
入店を知らせるベルが鳴った。