圭哉くんは俺様且つ暴君。

「相変わらず…ですかね。」


「そっか、じゃあ上手くやってんだ。」



私の言葉に、そう答えて笑う誠也さんには、私たちは普段から上手く行ってるように見えているらしい。


それはそれで、嬉しいけど。


現実とのギャップが激しくて、私は1人乾いた笑いを零すしかなかった。



「どっちから告ったの？圭哉？」


「っ、ゴホッゴホ…」


「あれ、ごめん。唐突すぎ？」



びっくりして、オレンジジュースへと手を伸ばす私を見ながら、やっぱり誠也さんは楽しそうに笑っている。



「ほんと、いつも唐突すぎます！でも、……もし、もしですよ？」


「ん？」


「私と圭哉くんは、ただの偽恋人で。圭哉くんは、私の事なんて本当は1mmも好きじゃない、

って言ったら…誠也さんは信じますか？」


冗談めかして尋ねる私に、一瞬…驚いたように目を見開いた誠也さんは、



「んー…それが本当なら俺としては、小春ちゃんにアタック出来るから大喜びなんだけど。」


なんて、すぐにいつもの大人の余裕たっぷりな冗談で返してきた。

そして、すぐに少しだけ真面目な顔して私を見る誠也さんは続ける。