圭哉くんは俺様且つ暴君。
でも、伝えなきゃいけない。
圭哉くんって、言わなきゃ分かってくれない。そんなタイプの人間だから。
今回 倒れたから…って、しっかり食べようと心掛けてくれるような人じゃない。
「何してんのよ、圭哉くんのバカ。」
ベッドにもたれかかりながら、スマホをおでこにコツンと当てて考える。
どうやって伝えたらいい?
……直接 顔みて伝えられるほど、まだ心の準備ができてない。
と言うより…わざわざ数週間ぶりに会いに行って『ちゃんとご飯食べて』って、どうなの?
いや、大事なことなんだけどさ。
…でも、ならどうやって伝える?
手紙……はアナログすぎるかな。
もっと、デジタルなもの…今どきの……
「あ、電話があるじゃん。」
シン…と静まる部屋に、私の間抜けな声だけが響いた。誠也さんが私にかけてくれたみたいに、私も圭哉くんに電話してみようかな。