圭哉くんは俺様且つ暴君。



どんだけ葛藤してんの、私。



「ふぅ…。」



再び握りしめるスマホ。
もう、なるようにしかならない!


圭哉くんに、酷いこと言われたとしても、自分の気持ちを伝えるって大事なことだから。




「………発信!」



震える指先で、圭哉くんへと発信すればすぐに





────プルルルルル

聞き慣れた機械音が耳を支配した。





…ワンコール、ツーコール。
どんどん回数を稼ぐコール数に焦りを感じ始める。



このまま、出ないのかな?…まだ寝てるのかな?それとも…



数回目のコールのあと、かける前は"なるようにしかならない"なんて、意気込んでたくせに


"あー、もうやだ"なんて、完全弱気。




諦めて電話を切ろうとしたその時、
───プツと小さな音がして、電話が繋がった。


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