デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~
統括長は冷や汗をかきながらも不思議そうな顔をした。

鉱山に連れて行って、労働でもさせようというのか?だが確かあの鉱山は……

「お……恐れながら我が君、あの鉱山は今はもう廃鉱山になってござりますが………」

重臣の一人が恐る恐る言うと、うなずいた。

「知っている。だから鉱石の採掘の後の、大きな穴が地面にいくつも空いているだろう?」

「は……」

まだ臣下たちは分からない。

「そこにあ奴らの骸共々連れていき、穴に落とすが良い。その上から火をつけ、虫共をまとめて灼き殺せ。王都の廃油やゴミでも撒けばよく燃えようほどに」

「!」

皆が一瞬震える。

ただ一人、王だけが冷たい微笑みを崩さずに、統括長を見た。

「良いな。あ奴らの骨一本残らぬまでにせよ」

蒼白な顔を強張らせた臣下たちを残し。

サラ、とその藍色の髪を流して、彼は部屋を出ていった。
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