デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~
部屋に帰るのが遅かったから、あっという間に昼食の時間になる。

戸が叩かれ、フラウとルネがやってきた。

「お昼をお持ちいたしました」

「ありがとうございます」

持ってきた箱からいつものように膳を出したのだが。

何だかツヤツヤした高そうな食器に、いつになく美しい飾り付けの料理が並んでいる。

「わ。なんか凄いですね今日。何かの記念日ですか?」

桜がのんきに聞くと、二人はウフフフフ……と意味深な微笑みを浮かべた。

「お祝い膳ですわ!」

「お祝い膳?何かあったんですか?」

目を丸くすると、やっだ、もう!桜様ったらッ!と二人は恥じらう。

「桜様が、また一つ魅力的な女性になったお祝いじゃございませんの」

「ハ?」

「幸せなことですわ、桜様……我が君に身も心も愛されるなんて」

「!!」

お祝いって、そういうことか!

たちまち顔を赤くする。

「で、恐れながら桜様っ、イカガでございましたの!?」

「えっ」

「昨夜は、我が君に十分かわいがって頂いたんですわよね!?」

「うっ……あ」
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