デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~
『アスナイ、こいつも落ち着いたみたいだぞ』
もうすでに馬に騎乗していたアスナイを見上げて、シュリは言った。
『そうか。では戻ろう。王都にその娘を無事連れていくまでが役目だ』
桜の様子など、まるで興味なさげに言うと、馬首を返す。
『あっ、おい待てって』
街の人混みの中を、スタスタ歩きだしたアスナイの馬。
あわててシュリも愛馬に飛び乗る。
『ほら、お前も乗れ』
戸惑う桜に、手を差し出した。
(乗れ…ってことよね。えと…どうやって…)
おろおろと足をかける場所を探していると。
『あーあいつ、マジで置いてく気だぞ。……悪いな、ちょっと急ぐ。――よっ!』
掛け声と共に、桜の体がグイと馬上に引っぱりあげられた。
「わ…!!」
一瞬混乱し、おかしな声が出る。
デブスと言われていた桜の重さなど何でもないかのような、力強い腕。あっけにとられる彼女を前に乗せ、シュリは馬脚を速めた。
もうすでに馬に騎乗していたアスナイを見上げて、シュリは言った。
『そうか。では戻ろう。王都にその娘を無事連れていくまでが役目だ』
桜の様子など、まるで興味なさげに言うと、馬首を返す。
『あっ、おい待てって』
街の人混みの中を、スタスタ歩きだしたアスナイの馬。
あわててシュリも愛馬に飛び乗る。
『ほら、お前も乗れ』
戸惑う桜に、手を差し出した。
(乗れ…ってことよね。えと…どうやって…)
おろおろと足をかける場所を探していると。
『あーあいつ、マジで置いてく気だぞ。……悪いな、ちょっと急ぐ。――よっ!』
掛け声と共に、桜の体がグイと馬上に引っぱりあげられた。
「わ…!!」
一瞬混乱し、おかしな声が出る。
デブスと言われていた桜の重さなど何でもないかのような、力強い腕。あっけにとられる彼女を前に乗せ、シュリは馬脚を速めた。