デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~
『へ?何でだよ?』

まだ理解していないシュリに、アスナイは心底面倒そうに理由を説明してやる。

みるみるうちに顔を赤くする相棒に、

『まあ、無理やりにでもその娘の肌を見たいって言うのならいいけどな。だがそれなら、お前に人のシュミをどうこう言える権利は無いぞ』

ぴしゃりとしめくくった。わからなくて幸いだったが、桜にもひどいとばっちりの言葉だ。

『ば…っ!んなわけあるか!』

ずいと桜に傷薬が入った鉢を押しつけ、ふてくされて横をむく。

単に心配して傷の手当てをしていたのに、こんなことを言われる羽目になるとは。

桜は二人の言い争いをオロオロして見ていたが、分からない言葉の応酬が終わったかと思うと、シュリは赤い顔をしてそっぽを向いてしまうし、アスナイは何事もなかったかのように鍋の様子を見ている。

(うう…なんか、気まずくない…?)

さっき、拒否をしたから気を悪くしてしまったのだろうか。

我慢して、じっとしておけば良かったのだろうか。
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