MIRACLE 雨の日の陽だまり~副社長との運命の再会~
「だけどそれじゃ生活するだけで精一杯よね。ふたりでバイトすれば生活はしていけるけど……それだけじゃダメなのよ。彼をミュージシャンとして輝かせてあげたいから」

「輝かせる? あなたが?」

「そう。彼を売り込むにはいろいろお金もコネも必要なの。だからパパから縁を切られたら、資金を調達できなくなる」

 俺はうつむいて小さく溜め息を吐いた。
 要するに、結婚する理由は金が必要だから?

 愛する男に貢ぎたい。そのために、俺との結婚にしぶしぶ承諾を?
 俺も俺だが、この令嬢もめちゃくちゃだ。

「その、コージさんって彼は、俺との結婚のことに納得はされてるんですか?」

「ええ。話したわ。彼は自分とは結婚できなくても仕方ない、って」

 意味不明だ。ふたりは愛し合ってるはすでは?
 自分の恋人がほかの男と結婚しようっていうのに、なにをあっさりと納得してるのかと思う。

 クエスチョンマークがいくつも俺の頭の中に並んだが……。
 結局そのコージとかいう男も、彼女が提供する資金に期待をしているのだ。

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