MIRACLE 雨の日の陽だまり~副社長との運命の再会~
 金と愛情を天秤にでもかけたのか。
 いや、それをするまでもなく、即答で金を選んだのか。

 そこまで考えが及ぶと、目の前の彼女がなんだか不憫に思えてきた。
 もしかしなくても、金づるにされているだけではないか、と。

「あなたが愛を信じてない人で良かったのかも。私と条件が合いそうだもの」

「……条件?」

 条件ってなんだ? 俺はそんなものは聞いていない。
 考えてみれば、恋人に援助し続けたいという理由だけでほかの男と結婚しようなんて、かなりぶっ飛んでいる。

 なにかほかに考えがあるのだろうか。
 今から彼女がなにを言い出すのだろうと、固唾を飲んだ。

「セックスはなし。子供も作らない」

 なるほど。夫婦としてするべきことはしない。
 愛してもいない、親に当てがわれただけの男とセックスはできない、と。
 ほかに愛してる男がいるのだから、その主張も当然と言えば当然だ。

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