MIRACLE 雨の日の陽だまり~副社長との運命の再会~
「おとなしくしろって。すぐ済む」

 その言葉で今からなにをされるのか察しがついた。
 貴重品目当てならバッグをひったくれば済むことだ。だからこの男の目的は金銭ではない。

 きっと……私をはずかしめるのが目的なのだろう。
 その証拠に今度はスカートの中に手を入れてきた。そしてさらに私を脅す。

「騒いだら、あられもない姿を人に見られるぞ?」

 抵抗すればもっと怖い目に合う。殺されるかもしれない。
 だけどこんな卑劣なことをするやつに、好き勝手されるのは嫌。
 このまま黙って犯されるくらいなら、死んだほうがマシだ。

 太ももやお尻を触られて気持ち悪さに吐き気を覚えつつ、私はスーッと息を吸い込んだ。

「だ、誰かっ! 助けてーー!!」

 今出せる精一杯の声で助けを呼んだ。その声が誰かに届くことを祈って。

< 153 / 262 >

この作品をシェア

pagetop