MIRACLE 雨の日の陽だまり~副社長との運命の再会~
「あ、誤解しないでください! 誘ってるとか、そういう意味ではないので!」

「わかってる。君に襲われるとは思っていない」

 黒髪が揺れる。今日初めて日下さんがほんの少しだけれど笑ってくれた。

「今の君に、俺を襲う元気なんてないだろう?」

 冗談を口にしつつ、もう少しだけ笑顔が咲いた。

 やはりこの人の笑顔には魔法のような効果がある。
 癒される上に、すがりたくなるのだ。ずっと見ていたいと思ってしまう。

 認めてはいけない感情だけれど、私はこの人に……日下さんに惹かれている。

「でも、ダメですよね。家に帰らないといけませんよね」

 きっと奥さんが待っているはずだ。帰りの遅い夫を心配しているかもしれない。

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