MIRACLE 雨の日の陽だまり~副社長との運命の再会~
 轢かれてしまうと思った瞬間、日下さんはバイクをひょいとよけながら、三角コーンを相手の側面にぶつけて応戦する。

 バシャーン、ガシャーンという派手な音が鳴り響く。
 日下さんの攻撃が見事に功を奏した。
 ひき逃げ犯はバランスを崩して横転し、身体がバイクから転がり落ちた。

 日下さんが即座にその人物に駆け寄って掴みかかる。
 両手でフルフェイスのヘルメットを脱がせ、それを道端に放り投げた。

「俺を殺したかったのか?! なんとか言えよ!」

 辺りに日下さんの怒声が響く。
 だけどその犯人は転倒した拍子にどこか痛めたのだろう。うー、と呻き声をただ上げているだけだ。
 私は右腕の激痛に堪えながらもなんとか立ち上がり、日下さんの元へ向かった。

「お前、どこの誰だ? なぜ俺を狙う?」

 馬乗りになって胸倉を掴んだ状態で相手を睨んでいたけれど、日下さんが私に気づいてとりあえず手を緩めた。

「歩いて大丈夫なのか?!」

「日下さん、警察に電話しましょう」

「ああ。それと救急車も呼ぶ。あまり動かずに救急車が来るまで大人しく座ってろ」

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