MIRACLE 雨の日の陽だまり~副社長との運命の再会~
「落ち着くカフェだったんだよな。俺のギスギスした心を癒してくれるような場所でさ。いつもひとりでそこに通ってた」

「……」

「一度だけ……女の子と一緒にロイヤルミルクティーを飲んだことがあったな。肌寒い四月の雨の日に」

 頭が真っ白になった。

 十年前、落ち着くカフェ、ロイヤルミルクティー、肌寒い4月の雨の日……
 私の中の綺麗な思い出がよみがえり、すべての記憶が一致する。

「すごくかわいい子でね。聞いたらまだ高校生だった。突然の雨で傘を持っていなくて、カフェの軒先で雨宿りしてたんだ」

「……」

「頭にちょこんとタオルハンカチを乗っけててさ」

「!……日下さん……」

 驚いて目を見開く私を前に、堪えきれずに日下さんが噴出すように笑った。

< 237 / 262 >

この作品をシェア

pagetop