MIRACLE 雨の日の陽だまり~副社長との運命の再会~
「いつです?!」

「君が腕を骨折する少し前」

 私が骨折って……棚野さんにバイクで襲われた日?
 それよりも少し前だというなら、あのときには既に離婚をしていたことになる。

「あ、あの……もしかして、私のせいですか?」

 今、私が口にしたことは自惚れかもしれない。
 だけど少しでも自分がその離婚事由に関係しているのだとしたら、やはり責任を感じるから。

「あぁ……いや……元々俺と別れた妻は普通の夫婦関係じゃなかったんだ」

 二年前にどういう経緯で結婚することになったのか、日下さんは私に詳しく話して聞かせてくれた。
 恩人であるサンシャインの現社長に頼まれ、義理の息子になりたいと思ったこと。
 奥さんとは契約のような形で、ふたりで取り決めをした完全な仮面夫婦だったことを。

 そこでようやく合点がいった。
 彼は結婚を機に“日下”を名乗るようになったのだ。だから離婚した今は元の旧姓に戻ったらしい。

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