MIRACLE 雨の日の陽だまり~副社長との運命の再会~
 だからもう、会うこともない。
 返しに来ると言ったのは、おそらく社交辞令だ。
 本当に来るとしても、本人ではなく秘書など代理の人を寄越すのだろう。

 そう考えながらもう一度紙面に視線を落としたところで、とあることに気づいてフフッと噴出すように笑ってしまった。

「ひなたさん、どうしたんですか~? なにか面白いことでも?」

「いや……だって、これ」

 私は彼の名前が書かれたところを、指でトントンと叩きながら再びクスクスと笑う。

「私、名前が“ひなた”なのに雨女だから皮肉だって話をしていたの。この人も自分は雨男だって言ってたのに、名前を見て?  “日下”なの。日下来人……“お日様の下に来る人”。しかも会社も“サンシャイン”。面白いよね」

 私もこの人も、なんの因果だろう。
 お日様に好かれているような名前なのに、実は雨に好かれているなんて。
 あらためてそう考えたら、お互い皮肉すぎて笑えてきた。

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