MIRACLE 雨の日の陽だまり~副社長との運命の再会~
 シフトを教えるのは別に嫌ではない。だけど私は素直にうなずけなかった。

「棚野さん、本当に大丈夫ですから。明日店長に相談して、しばらくの間だけでも遅番は減らしてもらいます。だから家まで送ってもらうのは……」

 棚野さんだって決して暇ではないのだ。さすがに申し訳がなさすぎる。
 恋人でもない私を家まで送るためだけに頻繁に迎えにくるなんて大げさだ。
 おずおずと私が断りの文句を口にすると、棚野さんのやさしい笑顔がだんだん落胆へと変わっていく。

「ごめん。迷惑だったかな」

「あ、いえ……」

「不審者って、なにをしてくるかわからないからね。もしも襲われるようなことがあったらと思うと心配で……」

 苦笑いする棚野さんを見ていると、それはそれで申し訳なくなってくる。
 ただ単に彼は私を気遣ってくれただけだとわかっている。その純粋な気持ちを踏みにじるつもりは毛頭ないのだけれど。

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