MIRACLE 雨の日の陽だまり~副社長との運命の再会~
 友達が結婚すると報告してきたときの、あの焦燥感と似ている?
 いや、違う。
 密かに憧れていた男性から突然サヨナラを言われたような……そんな感覚に近い。
 もうこれ以上関わらないでくれと、プツリと遮断されたような寂しい気持ちになったのだ。

 再び目の前にある雑誌の写真を見つめる。
 なにかを期待しているわけではないと口にしていたけれど、本当はなにか起こらないかと心の片隅では期待していたのかもしれない。
 おろかでバカな夢を見たものだと、自分が嫌になる。

「…………あ」

「え、どうしたんですか?」

「ううん。なんでもない」

 プロフィールを見ていて今日が特別な日だと気づいたのだけれど、日下さんとはもう二度と会わないのだからどうすることもできない。
 フッと息を短く溜め息を吐いて、残りのサンドイッチを口の中に押し込んだ。

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