十九時、駅前
「はあ」
 
何故かひとりでうきうきしている片桐課長に。
……なんとなーく嫌な予感がしていた。


お正月休みが明け。
初詣のときに片桐課長と話したことなんて
忘れかけていたとき。

……いつものように机の上に置かれたメモに、
青くなった。

『笹岡へ
 十九時、駅前
 通帳、印鑑持参のこと
         片桐』
 
……通帳、印鑑ってなんですか!?
私、なにさせられるんですか!?

すぐにでも問い詰めたい気持ちを抑え、
どうにか仕事をする。
おかげでミスを連発して、
会社を出たのはぎりぎりの時間だった。

「かた、ぎり、か、ちょう。
通帳、いん、かん、って、なんですか!?
私、しゃっ、きん、でも、
させられる、ん、です、か!?」

「あー、落ち着け?
とりあえず、深呼吸でもしてみようか?」
 
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