十九時、駅前
「あの、でも、
片桐課長に待ちぼうけさせるわけにも
いかないですし」

「おまえは!
俺のいうことを一番に優先すればいい!」

「横暴です!」
 
睨み付けると、片桐課長は狼狽えていた。
私が大人しいからって、
いつでもいうこと聞くと思うなよ!

「止めてください!もう、帰ります!」

「……悪かった。冷静に話をしよう」
 
そういうと片桐課長は、
近くにあったコンビニに車を入れた。

「コーヒー買ってくる。頼むから、帰るなよ?」

「……はい」
 
……はぁーっ。

珍しく不安げな片桐課長が車を降りると
ため息が漏れた。

……確かにちょっと、熱くなってたと思う。
だけど、片桐課長のいうことは無茶苦茶だ。
百歩……いや、
千歩譲って私が片桐課長の彼女なら。
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