ウサギの王子に見初められ。
「今日は予行演習って言ったから、続きは年越しの時でいい? 泊まれるときのほうがいいよね」
ようやく気持ちを立て直した私に、また思い出させる発言をする。しかもわざと耳元で囁くように。
「からかってるでしょ!」
「……怖かった?」
慌てて首を横に振ると、またぎゅっと抱きしめられる。怖くはないけど、やっぱりまた緊張して呼吸が浅くなる。
今日はやめるみたいなこと言ったのに、どっちなの?ドキドキさせないで!
「真奈ちゃんってうさぎみたいだよね」
私? 寂しがりやのうさぎは三上くんでしょ。
「震えてるよ。怖いんじゃないの?」
「こ、怖くないよ」
クッと三上くんがまた笑って、手の力を緩めた。
「オレだから?」
「うん」
「オレも、真奈ちゃんだから、好きだよ」
首すじにゆっくりキスした後、三上くんが離れて、目が合ったらまた困ったような顔をしてから、立ち上がった。
「食べたら送ってくね。自分で言っといて我慢できなそうだから」
後ろを向いてそう言うと、しばらく味見したり忙しそうにキッチンで動いていた。
やっぱり続きは今度、なんだ。どうしよう、きゃー、と心の中だけで大騒ぎして、ついお酒のペースが上がった。
ここで酔っぱらえたらかわいいのかなと思いながら、酔って眠そうでかわいくなってたのは三上くんだけだった。