遠回りして気付いた想い
「あぁ、お兄ちゃんの友達の…」

亜耶が言いかけた言葉を遮るように。

「亜耶のフィアンセの高橋遥だ。よろしく」

自己紹介してきた。

はっ、今なんて言った?

亜耶のフィアンセ…。婚約者だと。

そんな馬鹿な。

亜耶から、そんな話一度も聞いた事がない。

嘘だよな、何かの冗談だって、言ってくれよ。

オレは、自分の想いを告げる事も出来ず、ここで玉砕しなければならないのか?

放心状態のオレの心を知ってるかのように。

「皆。今の冗談だから。時間が勿体無いから、早く行こう」

亜耶が、そう言い出した。

顔を見れば、苦虫を噛んだような顔をして居る。

何で、そんな顔をするんだ。

ここに居る皆に知られたくなかったからか?

それとも、この中に亜耶の想い人が居て、聞かれたくなかったのか?

胸中、そんな事を考えていた。
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