遠回りして気付いた想い
告白阻止・・・遥side
亜耶に追い付いたのが、亜耶が駅に着いた時だ。

相変わらず、足が速いお嬢様だ事(まぁ、俺からは、逃がしはしないがな)。

亜耶は、友達と言葉を交わしてる。

その後ろに俺は立った。

「亜耶の後ろの人、誰?」

綺麗な子が、俺を見てそう言う。

まぁ、いくら綺麗だったり可愛い子でも、俺は興味ない。

同年代の女なんて、一緒に居るだけで吐き気がする。

だって、俺は亜耶しか興味無いんだからな。

亜耶が、ゆっくりとこちらを見る。

その驚愕の顔も俺にとっては、可愛く思えてしまうのだ。

「亜耶、やっと追い付いた」

俺は、笑顔でそう言葉を紡ぐ。

亜耶が、大きな溜め息を吐いたのがわかった。

何で、溜め息なんて吐くんだよ。俺は、心配で着いてきたんだぞ。

亜耶にとっては、余計なお世話なのかもしれないが…。

「あぁ、お兄ちゃんの友達の…」

「亜耶のフィアンセの高橋遥だ。宜しく」

オレは、亜耶の肩を抱いて言葉を遮る様に、自己紹介した。

いわゆる、牽制ってやつだ。

ほら、亜耶って以外とモテルんだよ。だから、今のうちに俺のだって、示しておかないとな。

俺の言葉に女の子達が、色めき立ち、亜耶の顔色が変わる。

俺から見てもわかるぐらい、亜耶を狙ってる男が数人混じってる。

一番厄介な奴が、優等生君。

俺の言葉に一番動揺してるんだよ。さっきから、俺と亜耶を交互に見てるしな。

俺は、そいつに狙い目をつけて、睨み付けた。

「遥さん!!」

「遥!!」

何時の間にか追い付いた雅斗の声と亜耶の声が、重なって聞こえた。

「もう、何て事を言うんですか!私の友達なんだから、そんなこと言わないでください。遥さんとは、もう口も聞きたくありません!」

って、亜耶が怒鳴る。

亜耶から、絶口宣言されてしまった。

嘘だろ…おい。

俺はただ、亜耶は俺のだから手を出すなって言いたかっただけなんだよ。

なのに、何でそうなるんだよ…。

「皆、今のは冗談だから。時間が勿体無いから、早く行こう」

亜耶が、そう言って歩き出したのが目には居る。

周りも、亜耶に習って動き出した。

「あ、亜耶…」

俺は、亜耶の背中に呼び掛けたが、振り返る事もなく行ってしまった。




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