遠回りして気付いた想い
おにいちゃん・・亜耶side
悠磨君の意味深な告白から、一週間が経った。

テストも終わり、冬休み前の塾での事。



「亜耶。クリスマスイブにパーティーしない?」

突然瑠美ちゃんが言い出した。

「パーティーって…。私達、受験生なんだよ。そんなことしてられない」

私が、呆れたように言うと、瑠美ちゃんが顔を歪める。

えっ、私の考え方が、間違ってるの?

お兄ちゃんも受験の時、クリスマスパーティー何てしてなかったよ。

何て思ってたら。

「勉強ばかりじゃ、息が詰まるよ。気晴らしは必要でしょ?だから、パーティーしよ?」

姫依ちゃんが、口を尖らせて言う。

気晴らし…ねぇ…。

「亜耶ちゃん。無理なの?」

的場君が聞いてきた。

気が付けば、いつものメンバーが私を取り囲んでる。

そして、私の次の言葉を待っている。

「…わかった。パーティーしよう。で、何処でするの?うちは、ダメだからね」

私は、聞かれる前に答える。

家に呼べない理由、あって無いようなものだ。

まぁ、うちの親は居ないだろうし、お兄ちゃんは、彼女とデートだろうし…。

って、あれこれって私一人じゃん?

去年まで、どうしてたっけ?

あっ、家族で過ごす日だって、家でパーティーしてたなぁ…。

「俺の家は?親も姉貴もいないから、騒げるぜ」

相馬君が言う。

「だったら、順一の家で時間は…」

悠磨君が、仕切り出す。

「その日って、塾あるよね。終わってから直行すればいいんじゃないの?」

私が、そう言うと。

「それもそうだな。ってな事で、塾が終わったら、順一の家に雪崩れ込んで、パーティーな」

悠磨君が、そう告げた。

「「「「「了解」」」」」

各々、頷いた。
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