遠回りして気付いた想い
「お邪魔します」

順一の家に着くと、そのままリビングに雪崩れ込む。

「適当に座ってて」

順一は、そう言いながらダイニングに行く。

「相馬君、何か手伝うよ」

亜耶が、率先して手伝いに行くのを見ながら。

「なぁなぁ。さっきの意味深だったよな」

と義之が言う。

さっきのって、あの光景か…。

確かに、凄く親しい関係なのは、見てわかった。

だけど、それ以上の関係に発展するって事は、今のところなさそうだが…。

時間の問題なのかも…って思う自分も居る。

「悠磨。そんな難しい顔して、どうした?」

ダイニングから戻ってきた順一が、オレの顔を覗き込んでいた。

「うわ~」

思わず声を出した。

「ひでー。そんなに驚かなくても」

順一が口を尖らせる。

否、普通に驚くだろうが、目の前にドアップで顔があれば…。

「なぁ、このピザとチキンは?」

目の前に映る光景を口にする。

「ん?あぁ。うちの親が、"パーティーするなら、これぐらい準備してやる"って言ってたやつだな」

順一が、簡単に説明する。

「わかってるな。御馳走になります」

義之が、満面な笑みで言う。

「よかったのか?」

オレが聞けば。

「いいんじゃないか。両親は、その分美味しい物を食べに行くって、張り切ってたし…」

澄ました顔でそう言う順一。

「そっか。じゃあ、コップに飲み物注ぐぞ」

義之が、テーブルに並べられてるコップに順に飲み物を注いでいく。

注ぎ終わると。

「悠磨、宜しく」

とオレに振ってきた。

ここで、何を言えって言うんだよ。

…ったく。

五人の顔が、オレを見る。

何、その注目は?

「えっと、今日は、受験勉強の息抜きと言うことで、めい一杯、羽目を外し、明日からまた頑張ろう。乾杯」

「「「「「乾杯」」」」」

各々グラスが重なり合い、小さな澄んだ音を奏でる。

「ねぇ、亜耶。亜耶って、悠磨君の事どう思ってるの?」

斎藤が、亜耶に詰め寄る。

オレもそれ聞きたい。

聞き耳を立てる。

「そんな事、今聞くの?」

そんな事とは、無いじゃん。

「そんな事って…」

水口もオレと同じ事を思ったらしい。

「う~ん。何て言えばいいのかなぁ…」

そんなに悩む事か?

オレは、亜耶の事、好きだけど…。

「どうした、悠磨?亜耶ちゃんの事気になるのか?」

どうやら、ずっと亜耶の方を向いていたようだ。

義之が、オレの脇腹を肘で突いてきた。

誤魔化しようがないので。

「まぁな…」

曖昧に答える。

中一の時から、ずっと思ってたんだからな。

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