遠回りして気付いた想い
机に置いていたプレゼントを手に部屋を出て。

「これ…。一日遅くなっちゃったけど…」

そう言って、差し出した。

「ありがとう」

お兄ちゃんは、笑顔で受け取ってくれた。

「由華さんと使ってね」

私の言葉に不思議そうな顔をするお兄ちゃん。

「由華と使う物?」

中身が気になるみたい。

「うん。お揃いのマグカップなの」

そう答えれば、納得する。

「お揃いか…。有難う、亜耶。俺からは、これな」

お兄ちゃんが、小ぶりな包みを渡してきた。

「開けてみ」

お兄ちゃんに言われて、包装紙を開けて、箱の蓋を開けると、薔薇の形をしたバレッタが入っていた。

「由華と一緒に選んだんだ」

と言う、お兄ちゃん。

でもね、モチーフが一緒って事は示し合わせて買ったんじゃないかって、疑ってしまう。

「ありがとう。大切にするね」

私がどういうと。

「貸して、着けてやるよ」

お兄ちゃんは、そう言って手を差し出してきた。



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