遠回りして気付いた想い
私は、それを渡した。

お兄ちゃんは、手慣れた様子で着けてくれる(幼い頃から、着けてもらっていたし…)

「良く似合ってるよ」

お兄ちゃんが満足そうに笑顔で言う。

「そうだ。遥にも見せてやりたいから、ちょっとここで待ってて」

そうお兄ちゃんが言って、部屋に戻っていく。

何だろう?

遥さんにって言ってたけど?

不思議に思っていたら、スマホを手にして戻ってきたお兄ちゃん。それを構えて。

「ほら、撮るぞ。笑顔な」

って言ったと思ったら、ライトが光った。

「よし…。遥に写メするな」

その場でメールし出すお兄ちゃん。

「これで、暫く頑張れるだろう」

って、お兄ちゃんが言う。



私の頭には、疑問符しか浮かばなかった。

「ほら、朝御飯食べに行くぞ」

お兄ちゃんに背中を押されて下に降りていった。
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