遠回りして気付いた想い
焦り・・・遥side
俺は、勝手知ったる鞠山家の玄関を潜る(高校の時からお世話になってるしな)。

「あやー」

俺は、亜耶に部屋に突撃した。

亜耶は、こちらに背を向けている。

チャンス。

俺は、後ろから亜耶を抱き締めた(決して、セクハラじゃないぞ。何時ものスキンシップだ!)。

おー、久し振りの感触。

このまま、抱き枕にして寝たいぜ。

今の亜耶は、髪を肩で切り揃えていて、中学生らしい格好をしている。

これぐらいが、ちょうど良いと思う俺は、可笑しいかもしれないが、そのうち俺から服をプレゼントしてやろう。

何て思いながら。

「亜耶ぐらいの子は、遊ばなきゃ」

俺は、亜耶の耳元で言う。

「だから…」

「遥さん。私、今年受験生なんです。それに明日から、期末考査なんですから、邪魔しないで下さい!」

俺の言葉を遮って口にする亜耶。

受験?もう、そんな歳だっけ…。

「エッ。受験なんて、しなくて良いじゃん。卒業と同時に俺の所に来れば」

俺は、本気でそう思ってるのに。

「だから!何で、そうなるんですか!」

亜耶が怒鳴る。

「だって、亜耶は俺のフィア…」

最後まで言う前に、顎に亜耶の拳が入る。

うっ…痛ったーーーい!!

俺は、思わず顎に手をやる。

舌噛んだ。

俺が、痛がってる間に何やら準備をし出す亜耶。
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