遠回りして気付いた想い
「ただいま」

オレが玄関を潜ると。

「お帰り、悠磨兄ちゃん。亜耶先輩、プレゼント喜んでくれたでしょ」

満面の笑みを浮かべて近寄ってくる千春。

「煩いな。そんな事どうでもいいだろ」

千春に八つ当たりするオレ。

情けないな。

「えっ。ちょっ、ちょっと悠磨兄ちゃん。どうしたのよ」

千春が、困惑してる。

そりゃあ、そうか。

本人の思い当たらないことで、怒鳴られてるんだから…。

「なんでもない!」

俺は、そう言って千春の横をすり抜けて、自分の部屋に向かった。


< 85 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop