遠回りして気付いた想い
「悠磨。やけに荒れてるな」

そう言って、ノックもせずに入ってきた兄貴。

「ほっとけ」

また、嫌なヤツが…。

「悩みなら、聞くぜ」

ニマニマしながら近付いてくる。

「兄貴に話して、解決できるならな」

オレは、兄貴を睨み付ける。

そんなオレもお構い無しにベッドに腰を下ろす兄貴。

「何だよ?」

嫌悪感剥き出しでそう言う。

「そう、いきり立つなって。お前の思い人の事…、亜耶ちゃんの事、教えてやるから」

兄貴が、思ってもいないことを口にする。

「何を知ってるんだよ?」

兄貴をマジマジと見る。

「話すと長くなるがいいか?」

兄貴が、確認するように聞いてきた。

オレは、それに頷いた。
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